北アルプス国際芸術祭視察とボランティアレポート

先日、長野県大町市で開催された、北アルプス国際芸術祭を視察してきました。
北川フラムさんが総合ディレクターを務めた芸術祭です。

>>北アルプス国際芸術祭

 

今年が第1回目の開催だそうですが、お客さんかなり来ているなと感じました。A-Paradiseとは規模が全然違うけれども、少しでも何か掴めたらとグイグイ行って来ました。

 

市町村が開催するアートイベントを簡単に解説すると、
商店街の空き店舗などにアーティストが入り作品を制作&展示。
さらに山の方とかちょっと遠い場所にも点々と作品を展示。来場者はそこを舞台に繰り広げられるアートイベントを楽しみます。
で、開催する側は、たくさんのお客さんに来てもらい、美味しいもの食べたり買い物や交流してもらって、街を元気にしたいという思いで頑張っています。
人気になればたくさんの人が遊びに来てくれますし、また来たい、住みたいっていう人も出てくるかもしれません。
実際、すごく素敵な所でしたが、こうしたイベントでもないとなかなか訪れないかもしれないので、人と街が出会うきっかけとして、大きな役割を果たしていると思いました。

同市は青森でいうと、黒石や大鰐みたいに山に囲まれた印象で、2万7千人余りが暮らしています。黒部ダム、白馬村スキー場などが近くにあります。

標高3000mの北アルプスの入り口、市街地でも標高が700mくらいあるそうです。なんか空気が違う気がする…。
ちなみに八甲田で一番高い大岳が 1,584m。

 

最寄りの信濃大町駅を出ると、目の前に芸術祭の本部があります。もともとはパチンコ店だった建物だそうです。

鑑賞パスポートの販売、Tシャツや缶バッジなどのグッズも販売しています。グッズのモチーフは、「ミナ ペルホネン」のデザイナー、皆川 明さんが手掛けています。


本部にも作品があります、地元の民話、泉小太郎伝説と龍がモチーフ。

 

商店街との連携

「信濃大町食とアートの回廊」というサブタイトルの通り、商店街でのアート展示と共に、商店街の飲食店とも強く結びついたPRがなされていました。このイベントのために、首都圏の有名シェフと現地のお店がコラボした料理なども用意されていました。

>>北アルプス国際芸術祭-食/Food

また、「おもてなし小皿」という地域の子供達が制作した作品があります。その小皿は、各飲食店で料理の器として使われていました。私が入った店では、注文した料理の前に、お通しみたいなサービスとして冷奴の小皿になっていました。裏に作者の名前もありましたよ。
子供達の創作活動であり、お店のおもてなしであり、お客さんも嬉しい気持ち。

パンフレットでただ店を紹介するのではなくイベントと連動していることで、来場者もイベントのひとつとして商店街のお店を楽しめる仕組みでした。

こちらはご当地名物のダムカレー。 ご飯の堤防が決壊しないように食べるのがコツ。

 

動線の引き方

広範囲に及ぶ展示サイト(展示場所)をどう結ぶか。
車がなければ不便な山や湖まで展示があります。同イベントでは、

・循環バス
・循環タクシー
・レンタサイクル(電動も有り)
・山の方の各サイト横に一般駐車場

と、複数の交通手段を設けて、人の回遊を促しています。
バス、タクシーはぐるぐる回っていて、大体1000円ほどだったと思います。

 

バナー・サイン

地図を手に歩いても初めての街はちょっと不安なものです。細い路地の向こうにサイトがあったりします。
そうした場合、イベントのバナーやのぼり旗が掲げられていると、とても分かりやすく安心するのだなと改めて思いました。

 

サインデザイン(看板など)の統一はやはり重要。無意識に頭に刷り込まれそれを目印に歩きますし、お祭り感がかなり出ます。北アルプス芸術祭のデザインは、綺麗なブルーと白で統一されていました。

 

地域交流

私たちは参加するタイミングがなかったですが、ワークショップやライブも開催されていて、地域の方と来場者が交流する機会もある様子。

それから、ちょうど神社のお祭りがあり、興味深かったです。
若一王子神社の子供流鏑馬という伝統行事で、商店街を馬に乗った子供たちが練り歩いてて風情がありました。

たまたま芸術祭に来た人たちが、祭のことを地元の人に尋ね、流鏑馬に来た人が芸術祭の話し聞いたり、自然と交流が生まれ、街のことも知ってもらえて良いなと思いました。
例年よりSNSでシェアされてただろうな。

 

ボランティア活動

帰りの電車の都合もあるので半日だけですが、会場で受付ボランティアをやりました。
ボランティアは、毎日朝の8時15分に本部に集合。朝礼でどのサイトにつくかを割り振られます。

割り振りは、本部が前日までに決めているようで、すでにホワイトボードに書き出されています。

市内の住民のほか、県外からの参加者も少なくないそうです。
サイトの数が多いのでかなりの人数。1サイトに2人以上が立ちます。お金の管理や不測の事態を考えると、複数人が妥当だなと思います。

商店街チームは徒歩で、遠方のサイトはワゴンに乗り合いで、開場の約1時間前に現場へ向かいます。

マニュアルやチケットや地図などが入ったバッグが全サイト分用意されていて、それを持っていきます。
会場準備の仕方、売り上げの記入やお金の管理、業務日誌etc.
これすごいですよ、必要なもの全部揃ってて、マニュアル見れば初心者でも何やればいいか分かるようになっています!

 

 私の担当したサイト。開場前からお客さんが来てました。
全部のサイトが見られる鑑賞パスポートを持ってる方がほとんどで、スタンプラリーみたいに、該当するサイトの番号にスタンプを押してあげます。(ここは9番)
個別に見たい方は1サイト300円で、その場でチケットを販売します。

サイトごとに、入場制限があるので定員になったら後の方には、作品の解説を渡して少し待ってもらいます。聞かれれば飲食店やワークショップの紹介もします。
体験型のサイトでは、順路や遊び方の案内もします。

半日だけなのでこんな感じで、締めの作業はやれませんでしたが、マニュアルの有能さに感動したボランティアタイムでした。

 

ただただ感想

滞在して何より良いなと思ったのは、すれ違う人が、こんにちはって言い合うところ。
みんなニコニコ楽しそう、街の人も楽しそう。開催まで大変なこともあっただろうけれど、みんなが楽しそうなこの雰囲気を見ると、上手くいっているんじゃないかなって思います。だって田んぼや山道にも人がいっぱい、若い家族連れもいっぱい歩いていました。

 

実行委員の大町市役所の方にアテンド頂いて、山の方にも行けて、諦めていた作品も鑑賞することができました。
お忙しい中、車出していただいたり、商店街案内していただいたり、根掘り葉掘りな質問に答えていただき、本当にありがとうございました!